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またしても、乗り過ごしの夜。~大野浦駅での小さな冬物語~

おやっとさ。名を伏せたい記事ですが、青年部長のYUKIです。

県人会の宴は郷中教育でもあり、終始盛り上がります。そして、どんなに楽しい宴でも皆帰りがあるのです。海賊のように皆で朝を迎えません。徒歩、市電、JRと各々帰路へ。気づけばまたやってしまった。。
電車の心地よい揺れと、ほんの少しの油断。気づいたら車窓に見えるのは見慣れぬ風景、そしてアナウンス。「次は大野浦~」。ええ、やっちゃいました、またしても乗り過ごしです。

夜風は思いのほか冷たく、ホームに降り立つと、冬の匂いが鼻をくすぐりました。ぼちぼち寒い。人影まばらな駅の自動販売機に吸い寄せられ、ついつい温かい飲み物を購入。手に伝わるそのぬくもりが、まるで人生の救いのよう。いや大げさですけど、ほんとに沁みるんです。

「これがまた、旅情ってやつか」 誰に聞かせるでもなくつぶやいてみる。
けれど、独りきりのホームでお茶をすする姿は、どう見ても“旅人”より“迷子”寄り。まあ、そんな夜もある。人生、たまには乗り過ごしてみるのも悪くないかもしれません。

結局そのまま大野浦駅で一晩を過ごし、始発で帰ることに。
ベンチに座りながら、夜の帳がゆっくり明けていく光景を見ながら、ふと「広島っていいなぁ」と思いました。

朝の電車でうとうとしながら帰宅。そっと玄関を開けると、妻のひと言。

「やぁ。」

その声に、すべてを見透かされた気がしました。
怒っているでもなく、笑っているでもない。けれど、ひと声にこもる“重み”たるや。結婚して何年も経つのに、いまだにこの瞬間は緊張します。
あぁ、これが現実への帰着点。旅は終わり、日常が再び始まる。

それでも、大野浦駅で過ごした一夜は、なんだか悪くない経験でした。
駅舎は新しく、全体がとても綺麗。ホームも広く、静かな時間が流れています。朝の光に照らされる駅名標が、まるで「また来いよ」と微笑んでいるようでした。

乗り過ごした夜が、ちょっとした冒険になり、ツンとした寒さが人生のスパイスになる。
そんな出来事があるから、きっと日常はおもしろい。
次は乗り過ごさないように――そう思いながら、また今日も電車に揺られるのです。
心配いただける方、そして何より笑って済ましてくれる妻に感謝、反省しております。

皆様もお気をつけてください。そろそろ、本格的な寒さになりますので。。

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